単行本で1999年6月に出版したものを今回2020年8月に文庫化。
三野正洋の本は裏表紙を見るとNF文庫より既刊で16冊でているそうです。
ご存知「○○軍の少失敗の研究」や「○○対○○」など、戦記というよりはデータを分析した研究っぽい感じです。
私は16冊中11冊持ってました(笑)
それにしても16冊はスゴイ!
前回のブログ「雷電」の渡辺洋二や往年の豊田穣にも負けてませんね(また笑)
この三野正洋氏、昭和17年生まれというと78歳くらい。日大理工学部卒業→造船会社勤務→大学准教授。やはり研究者っぽいです。
勝敗の結果を導くものはやはり数字。こういった光人社NF文庫の戦記ものを読んでいる読者にもいろいろなタイプの方がいると思うのですが、だいたいの皆さんの大好きな戦闘シーンは一切出てきません(またまた笑)
でもなぜ勝ったか(負けたか)は知りたいわけで、最後はやはり物量勝負の戦争を冷静にデータからとらえるこの視点がいいですね♪
敗戦した直後の日本のすぐ隣で起きた朝鮮戦争、共産圏のベールに包まれていたその兵力や損害のデータが1988年頃になって中国側から大量に公開され、実態がより明らかになったようです。
巻末にその参考文献の話があるのですが、共産国側の資料を集めて読むだけでも本当にたいへんな作業だと思います。
評価は「特A」「A」「B」「C」の中の「A」
三野さんの本は単行本ではなかなか手が出ないのですが、文庫化されたら必ず買い、ですね。
(笑)